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<ヘッドフォン祭>ベイヤー「DT IEシリーズ」日本初試聴/ゼンハイザー、GRADO、FOCAL、DUNU、QoAなどからも新製品
編集部:成藤正宣フジヤエービックが主催する、約80のポータブルオーディオ関連ブランドが集う展示会イベント「春のヘッドフォン祭2025」が、本日4月26日(土)に東京駅そばのステーションコンファレンス東京にて開催された。本稿では、国内初公開となるBeyerdynamic(ベイヤーダイナミック)のインイヤーモニターをはじめ、多彩なイヤホン/ヘッドホンの新モデルの出展模様をお伝えする。
国外では“想定以上の反響” 、ベイヤー初のイヤモニが日本上陸
独BeyerDynamicを扱うオーディオブレインズでは、今年1月に海外発表されたプロフェッショナル向けインイヤーモニター「DT IEシリーズ」を国内初展示した。海外では5月ごろから発売予定だったそうだが、想定を上回る反響から生産を強化中とのこと。国内発売のスケジュールも現時点ではまだ固まっておらず、今回ようやく試聴機が用意できたという。
DT IEシリーズは、スタジオエンジニアやドラマー、キーボーディストといった用途別に、「DT 70 IE」から「DT 73 IE」まで4種類のチューニングをラインナップする。デザインは基本的に共通なのだが、筐体に空けられたベント(通気孔)、モデル名の刻印など細かい部分に違いがある。
ドライバーユニットは、ハイエンドモデル「XELENTO REMOTE」と同じ独自のダイナミックドライバー「TESLA.11」を搭載。筐体もXELENTOに近い丸みを帯びたコンパクトな設計だが、素材は半透明の樹脂となっていて重みはそれほど感じられなかった。ノズルは楕円形で、先端のフィルターは交換用パーツが1ペア用意されている。
DUNUからハイブリッド型イヤホン「VULKAN2」がブラッシュアップされて登場
サウンドアースの扱うDUNUからは、今後発売予定のイヤホン新モデル「VULKAN2」「DN242」が登場した。過去のイベントでも開発中の製品として参考出展していたが、今回は実際に発売する製品版仕様までブラッシュアップ。5月には国内でも販売できる見込みだという。
VULKAN2は、以前は樹脂製の仮の筐体となっていたものが金属製に刷新。ダイナミック2基/BA6基の8ドライバーを搭載している。一方のDN242はダイナミック2基/BA4基/平面型2基の3種類のドライバー計8基を組み合わせたトライブリッド構成となっている。
前回のヘッドフォン祭miniでも話題を集めた、ブランド初のポータブルCDプレーヤー「CONCEPT-R」も引き続き展示。天面に敷き詰められたボタンやフェーダー、前面に配置された4.4mmバランス出力など外見も特徴的だが、内部でもR-2Rラダー型DACやクラスA/ABアンプモードの切り替え、USB PDによる急速充電対応といった多数の注目ポイントを備えている。
このほか、QoAからはダイナミック1基/BA4基/BC(骨伝導)1基を搭載したフラグシップモデル「Martini(マティーニ)」が展示。フェイスプレートだけでなくシェルにまでラメを振りまいた華やかなデザインも特徴的で、5月から6月ごろに国内でも発売できるという。その後に発売予定のダイナミック1基/BA2基/平面型2基搭載「Bijou(ビジュー)」も参考出展されていた。
ゼンハイザー/GRADO/FOCAL……歴史あるブランドからもヘッドホン新製品が続々
ゼンハイザーは、“HD500シリーズ”の新モデルとして4月2日に発売となった開放型ヘッドホン「HD 550」を展示。
長きにわたって販売されているHD500シリーズに “新しい風を吹き込む” モデルと紹介されており、別シリーズにラインナップされるヘッドホン「HD 620S」と主要部品を共有する自社製ドライバー、ドライバー背面の空気の流れや反響をコントロールする「アコースティックフォーム」といった新しい設計を投入している。
HD500シリーズの中では、ウォームすぎず分析的すぎず、全体的にバランスの取れたニュートラルなモデルと位置づけられている。
ナイコムブースでは、GRADOの最上位ヘッドホン “Signatureシリーズ” から登場した第2弾モデル「Signature S950」(約35万円)が試聴展示。
第1弾モデルの「Signature HP100 SE」と共通のコンセプト、52mmダイナミックドライバーを搭載しつつ、ハウジングはブラジリアン・ウォルナットを採用。チューニングも音楽に深く没入することを目的としたものに変わっている。HP100 SEと並べて展示されており、兄弟機と聴き比べることができた。
また同じくナイコムの扱うイヤホンブランドLETSHUOURでは、ダイナミック型イヤホンの新モデル「DX1」(2.3万円)が発売直後の展示
。2年をかけて独自開発した11mmアルミニウム・マグネシウム合金ダイナミックドライバーを搭載し、厚みや広いダイナミックレンジが感じられる生き生きとしたサウンドを再生するとしている。
ラックスマンは、同社が取り扱うFOCALブランドから昨日発表したアクティブノイズキャンセリング(ANC)搭載Bluetoothヘッドホン「BATHYS MG」(約24万円、6月発売)をさっそく展示した。
2023年発売の「BATHYS」の上位モデルに位置づけられ、“M” 字型の断面を持つ振動板形状はそのままに、素材をアルミ+マグネシウムからマグネシウム(MG)のみに変えている。これにより、低音の伸びやダイナミックな低域に磨きがかかっているという。
BluetoothはaptX Adaptiveコーデックをサポート。ほか、USB/アナログ接続で有線ヘッドホンとしても利用可能だ。
また既存モデルのBATHYSについても、新しいカラーバリエーション “ディープブラック” が公開。部位ごとに少しずつグラデーションをつけた深い黒色で、精悍な印象を漂わせている。海外においてBATHYSは、音質はもちろんファッション面からも好評なのだそうだ。
ブライトーンでは、取り扱いブランドZMF Headphonesのイヤーパッド「ZMFユニバーサルヘッドホンパッド」(約2万円)を出展。
同ブランドのヘッドホン用に開発した独自のイヤーパッドをもとに、ゼンハイザーやFOCALなど他ブランドのヘッドホンへ装着できるよう最適化した6モデルを展開。お気に入りのヘッドホンの装着感や音質をより引き上げられるとしている。
一部のモデルは、ヘッドホンに取り付けるためのアダプター部を取り替えることで、より幅広いヘッドホンに装着できるとのことだ。
リアルアシストは、イベント直前に試聴機が間に合ったという香港ブランドICE LABのイヤホンを参考出展。
海外価格は2,000ドルという最上位モデルにあたる「SPECTRUMICA」は、ダイナミック/BA/BC(骨伝導)/EST(静電トゥイーター)の4種類/計8ドライバーを組み合わせたクアッドブリッド構成。
セラミック製の振動板を備えたダイナミックドライバー、ノイズを抑える独自技術「3D-HALO」を用いたケーブルなどユニークな特徴を備え、立体的な音を楽しめるそうだ。
See Audioでは、過去に高い評価を受けたモデルを新しいドライバー構成でパワーアップした「KAGUYA II」を披露。
ダイナミック×1/BA×4/BC×2/EST×2という多種類のドライバーと独自のクロスオーバー技術で、心地よいだけでなく精緻に整ったサウンドを再現するとしている。